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金融ITニュース。時々雑ネタ。

Fintechからレガシーまで、金融IT業界のニュース

【解説】ジャパンネット銀行が24時間365日連続稼働を開始

ジャパンネット銀行が今月から24時間365日連続稼働を行うとのこと。

prtimes.jp

銀行オンラインシステムは定期的なサービス停止が必須

ショッピングやオークションでのネット決済のご利用、コンビニエンスストアでのVisaデビット決済やATMのご利用など、深夜や早朝にお客さまが口座を利用されることが当たり前となりつつあり、銀行口座も昼夜を問わず24時間365日、常時使える必要性がますます高まってきています。
ジャパンネット銀行は、インターネット専業銀行としてお客さまに「いつでもどこでも」ご利用いただけることが義務であると考え、このたび、定期メンテナンス時間を現時点で最短の年間30分のみとする取引システム連続稼働体制を導入しました。

銀行のオンラインシステムでは、1日1回、勘定元帳の集計が行われます(日締めとか締上げとかいいます)。
ざっくり言えば、その日1日分の入出金の集計をして、入金・出金総額に差異がないかのチェック、各種手数料総額の集計などを行っています。
集計中に入出金があれば、集計が合わなくなります。そのため、ある時点を1日の集計地点とみなす仕組みだったり、追加の入出金は後から帳尻を合わす仕組みなど、結構複雑な処理が組まれています。
システム上の処理で、どうしても間に合わない場合は、サービスを一時止める策を取ることもあります。
例えば、ゆうちょ銀行は、ゆうちょダイレクト、ATMとも、毎日23:55から翌0:05まで利用できません。

また、システムをどうしても止めなければいけないケースもでてきます。

  • 内部電池の交換、内部部品の動作チェックなどメンテナンスのためのハードウェア停止
  • 全銀システムなど外部のシステムとの接続試験のための、ユーザ向けサービスの停止
  • 災害・システム障害に備えた、予備システムへの切り替え試験に伴うサービス停止

今回のジャパンネット銀行のシステム改善により、現状3時間×6回/年のメンテナンスに伴うシステム停止が、年1回30分以内に抑えられます。

24時間365日(ほぼ)無停止連続稼働の仕組み

2015年までは、定期システムメンテナンスのため、年6回全サービスを約3時間停止していました。
今回の実質連続稼働を実現するにあたり、これまで2台で運用していたデータベースサーバを3台に増やしました。従来のメンテナンス作業を1台ずつ順次実施し、常に残り2台で冗長構成を保つことによりサービスの無停止を実現しました。
また、このデータベースサーバを2系統用意し、3台同時メンテナンスの必要が発生した場合でも、系統を切替えることでサービス停止時間を30分以内に抑えることを実現しました。
(なお、この系統切替えは年1回を予定しております)

ジャパンネット銀行のオンラインシステムは、富士通のW-Bank2で構築されているようです。
情報を保存しているデータベースはOracle社のデータベースシステムです。(OracleはデータベースソフトのシェアNo.1)
少し専門的な話ですが、同じ構成のハードウェアを2セット用意して、一方は通常の稼働用、もう一方はハードウェアが壊れた時の予備機やメンテナンス時の切り替え機として用意されています。
データベースもリアルタイムでコピーして、同じものを2セット持つようになっています(レプリケーションはGoldenGateかDataGuardでしょう)。

http://prtimes.jp/i/3984/173/resize/d3984-173-251416-1.jpg

今回の改善で出来るようになること・できないこと

お取引ページへのログイン、残高照会、振り込み、ログインパスワードや取引限度額の変更といった諸手続きなど、一般的なWEB取引は連続稼働を行います。

ジャパンネット銀行内部で完結する処理は、24時間365日稼働になります。
振り込みもジャパンネット銀行内に限って連続稼働です。
他の銀行宛て振り込みは、全銀システム(他の銀行への資金移動に利用されるシステム)や統合ATMセンター(振込先口座の名義人名の取得や、コンビニATMからの出金に利用されるシステム)など外部のシステムの制約により、他のメガバンクなどと同じく平日営業時間内だけ利用可能です。

他社システムとの接続がある取引(ATM取引、Visaデビット取引など)は、システムメンテナンスを実施することがあります。
ATM取引、Visaデビット取引についても2016年度中の連続稼働を計画中です。

ジャパンネット銀行のATM取引は、三井住友銀行のATMネットワークを利用しているため、三井住友銀行のシステムメンテナンス時間である毎週日曜日21:00~翌月曜日7:00は、現在利用できません。

ジャパンネット銀行 - Wikipedia

なお、セブン銀行・ゆうちょ銀行以外の提携ATMでは三井住友銀行のATMネットワークを経由しての利用となるため毎週日曜日21:00~翌月曜日7:00の間は利用できない。

ATM取引、Visaデビット取引についても2016年度中の連続稼働を目指しているということで、ジャパンネット銀行独自でATMネットワークを現在構築中と考えられます。

まとめ

銀行サービスの24時間化は、欧米やアジア諸国に比べて、日本は遅れており、2018年に予定されている全銀システムの24時間化含め、サービスの向上がこの先どんどん進みます。
24時間365日稼働は利用者にとっては便利にはなりますが、その利便性の裏では、働いている人が大勢います。
システム障害に対応するSE・ベンダー・SIer、ユーザからの問い合わせに対応するコールセンターのオペレータ、システムを運用するオペレータ、現金の補充をする警備会社、ATMの故障に対応する技術者、などなど多くの「中の人」の働きで、世の中が回っていることも忘れないでおきましょう。

SEが基礎から学ぶ金融システムの教科書

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