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金融庁の銀行検査の改革が推進中 攻めの姿勢へ転換へ

金融庁が金融検査マニュアルの廃止などの改革を進めている。これまでの銀行の健全性を軸とした検査体制から、融資先企業や地域の発展など、成長性を軸とした検査方針への転換を目指している。

現状の体制の改革だけでなく、森金融庁長官時代の一時的な施策にせず、以降も引き続き実効的な施策が継続されるようにするための仕組みとして、第三者委員を設立するなど、継続的な改善が期待でき、今後の動向に注目したい。森金融庁改革の話は「捨てられる銀行」に詳しく書かれている。
捨てられる銀行 (講談社現代新書)
地方の発展のために地銀への対応も大幅に変わっており、従来のサービスにとどまらず、Fintechなど先進的な取り組みを通して、地方の発展に寄与することが今後は求められていく。
金融庁「強権」を封印 銀行検査、抜本見直し :日本経済新聞

バブル崩壊後、不良債権処理と破綻処理を優先した検査官は画一的に苛烈な検査をした。金融システムの安定に一役買った半面、銀行に「金融庁に従えばいい」との横並び意識を生み、思考停止の状態を生んでしまった。企業への融資を渋ったり、止めたりする負の遺産も残した。不良債権比率が2%台に落ち着いた今、かつての検査体制では金融が成長産業にならない。そんな危機感が森長官の胸中にある。

では、どう変えるのか。まず組織を見直す。長官の下にある総務企画、検査、監督の3局のうち、検査局を「モニタリング部」に改称する案を軸に検討。8月に総務省に機構・定員要求を出し、2017年度から監督局と一体運営できるようにする。

銀行に詰め寄ってきた検査官も「モニタリング・オフィサー」に名前が変わる見通しだ。検査官のバイブルとされた検査マニュアルも凍結する。新しい手引書では項目をぐっと絞る。個別の融資にあれこれ口を出す画一的な定期検査をやめ、経営実態を見つつ時期も対象行も柔軟に変える。

銀行や保険などの専門チームと、企業統治や法令順守など業界横断チームが連携し、いろいろな視点でのチェック体制を整える。例えば「企業に融資する際に将来性を重視しているか」「個別の事情にあったリスク管理体制を敷いているか」「国内外の経済情勢の収集や分析をきちんとしているか」といった聞き方だ。

(中略)

国内行の貸出金残高は約480兆円。最近は上向きつつあるが、00年代初頭とほぼ同水準にとどまる。一方で預金残高は700兆円を超え、5割増えた。この眠る預金を成長投資に振り向かせたい。健全性の確認だけではなく、将来へのビジネスモデルを描けているかを確認する。銀行に守りの経営から攻めの投資を促し、フィンテックや地方創生などを通じて「顧客本位」の金融サービスの普及を狙う。

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